最近英語論文を書いているのだけど、その時にちょっと気になったので、いくつかの環境で英文字のリガチャ(合字)の対応具合を確かめてみた。代表的なリガチャであるff, fi, fl, ffiが、ちゃんと合字で表示されるかどうかの確認。
基本的にはソフト側の対応とフォントの対応ということになる。ソフトはワープロソフトとWebブラウザを確かめた。
フォント
Mac OSに付属のTimesやヒラギノ明朝は合字を持っているが、Microsoft由来のフォントはメイリオ以外は全滅。
その他のフォントでは、DejaVuフォントは合字を持っているけどLiberationフォントはだめだった。
細かく見ると、MicrosoftのTimes New Romanは独自の領域に合字があり、Liberation SerifやCambria, GeorgiaなんかはDejaVu Serifと同じ位置に合字があるのだけどなぜかソフトが使ってくれない(主にWindows XP上のAbiWordで確認)。
MS P明朝やHGP明朝B、IPA P明朝なども表示できない…と言うか、最初から字を持っていない。
MigMix 1P, MigMix 2P, Migu 1C, Migu 1P, Migu 1VSフォントは合字の表示が可能。MigMix 1MやMigu 1MやMigu 1DSは表示できない。
M+フォントのC, Pは合字を持っているみたい。
Adobeの小塚明朝 Pro6N Rも表示可能。
梅フォントやVL Pゴシックは表示できない。
環境はOS X 10.7.2, Mac OS X 10.4.11, Windows XP Professional SP3, Ubuntu 11.10
ワードプロセッサ
Mac
Microsoft Word 2008, LibreOffice 3.4.5, テキストエディット, Pages 2009で対応を確認。いずれも合字を持っているフォントであれば自動で表示が合字になる。
Mac OS X Panther 10.3以降ではリガチャを含む高度なタイポグラフィがOSに組み込まれたので、OSのテキストサービスを使うソフトなら全て利用可能らしい。
さすがにAppleWorks 6.2.9は設計が古く、Mac OS Xの機能を使えていないようでリガチャの表示には対応していなかった。
Windows XP
AbiWordと合字を持つフォントの組み合わせでは表示可能。
Microsoft Word 2003, 2007, LibreOffice 3.4.5, WordPadでは表示不可能。ネットを見ると英語版Word 2010にはリガチャを有効にするチェックボックスがあるようだが、日本語版は未確認。
ワープロソフトではないが、GIMPもリガチャに対応している。Inkscapeはだめだった。
Ubuntu
LibureOffice 3.4.5は表示不可能。
AbiWordはDejaVu Serifを指定すれば合字に変換して表示する。AbiWordはOSのテキストサービスではなくて、自前の処理でリガチャの処理をしているんだろうな。
ブラウザ
Geckoの作りが優秀なようで、Geckoを使ったブラウザは合字を持ったフォントさえ指定してやれば表示可能。各環境で使えるFirefoxはもちろん、SeaMonkeyやCaminoも表示できた。
WebKitはSafariもGoogle Chromeも非対応。Mac上のSafariもだめなのが残念だ。
OperaとInternet Explorer 8は対応フォントを指定してもだめだった。
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